4時に起床し、東の空をみると雲海から突き出た富士山がくっきり見えました。
天気は大丈夫そうです。
テントの結露を拭き、いよいよ出発です。
まずは西農鳥岳を目指しガシガシ登ります。
稜線に出ると、西側からもの凄い風が吹いていました。
西農鳥岳から大門沢下降点まで
台風並みの暴風でした。
いままで体験したことのないほどの強風で体がもっていかれます。
ガスガスの暴風のなかをとにかく進むしかありません。
雨で濡れたら低体温症になっていたかもしれません。
写真ではわかりませんが、
風速20~30メートルくらいの風で呼吸がしずらいほどでした。
6時半、やっと下降点の目印が見えました。
ここまで導いてくれた黄色のマーキングに感謝です。
生きた心地がしない1時間半でしたが、稜線の東側は無風であとは
約2千メートルの標高差を下るだけです。
下降点からジグザグに下っていきます。
正面に見える雄大な富士山を眺めながらゆっくり下っていきます。
本当にきれいでした。
暴風の中を抜けてきて、
完全に油断しきっていました。
鼻歌なんぞを歌いながら・・・。
この下り、急だとは聞いていましたが、踏み跡を辿って気づいたときには時遅し。
登山道にしては荒れているうえに急すぎるなと最初は思っていたのですが、
やっぱりルートを外れていました。
おかしいなと思ったらわかるとこまで戻るのが鉄則ですが、戻るに戻れない。
またもやこれまで体験したことのない
超ガレ場。
一歩登れば3歩ずり落ちる。
浮石率90%。
地図を確認すると沢まで下れば登山道に合流するらしいことが分かり、
慎重にくだることにしました。
途中まで踏み跡があったのですが、よーく見ると人間にしては妙に小さく
爪と肉球らしき跡が・・・
しかもまだ新しい、さっき通ったような熊らしき足跡。
逃げ場がないため、熊らしき足跡をたどってただ下るしかすべのない下山です。
頭のなかが混乱しているなかで、さらに困難が・・・。
ガレ場の先に3メートルほどの崖が出現。
ストックを下にぶん投げ、三点支持で慎重に下ります。
着地点も超急なガレ場で、はじめて転倒してしまいました。登山道で転んだことは一度もなかったのですが・・・・
崖から下るときに、50~60㎝ほどの岩に足を載せたとたん、
ずるずると岩ごと急下降し3メートルほど流され転倒。
後からその岩が落ちてきて激突していたらと思うと冷や汗ものです
1時間ほどガレ場と格闘し、やっと正規の登山道と合流。
生きていてよかったー!!
かなり下ってきました。
8時50分、大門沢小屋にやっと到着。
とりあえずコーラで乾杯です。
あとは沢沿いや森のなかやらをひたすら下っていきます。
プールみたいです。
飛び込みたい!!
つり橋もわたります。
かなりボロくて怖いです。
やっと最後の林道まで下りてきました。
ここからまだ4.6キロあります。
正午前にやっと登山口の第一発電所までたどり着きました。
今回の山旅完結です。
最後は、温泉ということで奈良田ではなく、その先の西山温泉の湯島の湯につかっていきました。
最高です。
(湯島の湯HPより)
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